今回は、米津玄師さんの「Lemon」の歌詞について考えてみました。




この歌作っている最中に、米津さんのおじいさまが亡くなられたそうです。
結果、米津さんが今まで考えていた「死生観」が崩れ、
ただただ「あなたが死んで悲しいです」と歌っている曲になった、とインタビューでおっしゃっていました。
(参照:rockin'on.com /「『死』の喪失感を歌う究極のバラード“Lemon”は、なぜ生まれたのか? 米津玄師、そのすべてを語る https://rockinon.com/interview/detail/173439


たしかに、この歌から伝わるのは「痛々しいほどの悲しさ」です。
それともう一つ、「見えていなくても存在する」ということを歌っている、と思います。



では詳しく見ていきます。

記事内にも歌詞を載せていますが、全てではないので
歌詞の全貌はこちらでご確認ください ↓

Lemon / 米津玄師
歌詞




直接的な表現はありませんが、
インタビューの内容やドラマ「アンナチュラル」の主題歌であることから、
歌詞に出てくる“あなた”は、お亡くなりになっているのだと思います。


冒頭の
夢ならばどれほどよかったでしょう
という一文だけで、哀しみや主人公が抱える辛さがひしひしと伝わってきます。

忘れたものを取りに帰るように
古びた思い出の埃を払う

わざわざ取りに帰るような忘れ物とは、財布や携帯などの無くてはならないもの。
つまり、“あなた” の存在もなくてはならない存在だった。


“古びた”、“埃” といった単語から、“あなた” がいなくなってから結構時間がたっていることがわかります。
埃を払うのは、その思い出が古びてしまわないようにするため。
記憶が褪せてしまわないように。

戻らない幸せがあることを
最後にあなたが教えてくれた
言えずに隠してた昏い過去も
あなたがいなきゃ永遠に昏いまま


もう永遠にあの幸せが訪れることはないという、
失ったものの大きさと、深い哀しみが表れている歌詞です。


“昏い”は、「くらい」と読みますが、
この歌詞は、サビの歌詞と対比されています。


あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してた あなたとともに
胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
今でもあなたはわたしの光

最初の、
あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
は、あなたと一緒にいる時にあった悲しみや苦しみとも取れるし、
あなたに出会う前にあった悲しみや苦しみとも取れます。
私は後者で解釈しました。


このようなマイナスな感情も、あなたと一緒にいると愛することができていた。
あなたという存在が、過去の辛いことも暖かく包みこんでくれる光のような存在だったということです。

主人公にはまだ言えずに隠していた昏い過去があったようですが、
これもいつかあなたに伝えるつもりだったのでしょう。
けれども照らしてくれる光がなくなったから、昏い過去はこの先もずっと照らされることなく昏いままになってしまうと歌っています。




2番のBメロ
何をしていたの 何を見ていたの
わたしの知らない横顔で

は、私が言えずに隠していた過去を持っていたように、
あなたにも私が知らない一面があったということ。


どんなに好きで、一緒にいても、
他人同士100%なんでもわかり切ることはできないと思います。
けれど、主人公はあなたとこの先もずっと一緒に過ごし、時間をかけて1%でも多くあなたのことを知りたい、自分のことを知ってほしいと思っていたのでしょう。
でもそんな未来は一生来ない。

ここでも、あなたがいた日々がもう戻ってくることのない悲しみの大きさを感じます。






そして、2番のサビの歌詞は、
私が記事序盤で述べた、「見えていなくても存在する」ことが1番表れている部分だと思います。


どこかであなたが今 私と同じ様な
涙にくれ 寂しさの中にいるなら
わたしのことなどどうか 忘れてください
そんなことを心から願うほどに
今でもあなたはわたしの光

この歌詞を初めて見た時は、「“あなた”は死んでいない人なのか?」と思いましたが、
これこそが見えていなくてもこの世界に存在している、ということを表しているのだと思います。

そもそも光は形がないので(光線などは例外とします)、「光を見てる」という認識はあまりしないようにおもいますが、
光があるからこそ私たちはいろんなものを目で見ることができています。


だからそれと同じ様に、主人公の目には形として見えなくても、
この世か、天国か、どこにいるかはわからなくても、
あなたがどこかに必ず存在していると歌っています。


MVでも、女性が米津さんの目の前で踊っているのに、米津さんは気づいていない部分があります。
「見えなくても存在する」ことが表されています。

切なすぎるシーンです、、、






で、見えなくても存在するあなたが、もし自分と同じ様な気持ちで
主人公と会えない哀しさや寂しさで辛い思いをしているのなら、
あなたにはそんな辛い思いをして欲しくないから、
わたしのことは忘れてください、と言っています。


ここからは、あなたに対する主人公の深い愛と優しさと、
それほどまでに哀しみが大きいことが伝わってきます。



あなたに対して忘れてもいいよ、と言えるのは
主人公自身は絶対にあなたのことを忘れないと言う確信があるから。


忘れない、というよりも
とても忘れられない それだけが確か
だからです。



サビに出てくる
雨が降り止むまでは帰れない

という部分は、
どこに帰るのか、今どこにいるのかを歌詞から解釈することができなかったのですが、

雨が止むまで = 今現在は雨が降っている ことであり、
この雨は「涙」の比喩、つまりあなたを失った哀しさであると考えました。

だから、この雨は止むことはない。
主人公は元々いた「“あなた”との幸せな日々」に戻ることは一生ない、
ということだと思います。


切り分けた果実の片方の様に
は、主人公と“あなた”は、2人で1つのように欠かせない存在であることと、
切ってしまったらもう2度と元の1つの状態には戻らないことを
表しているように思います。





そして最後になぜタイトルは『lemon』なのか、という問いに出した私なりの答えは、
・“あなた”が付けていた香水の匂いがレモンの香りだったこと
・レモンと光は、どちらも黄色で表されること
・レモンの花言葉に「誠実な愛」という意味があること
・苦い恋、初恋(ファーストキスの味)のイメージがあること

からだと考えました。
(ここは一番自信がないです^^;)





以上で今回の考察を終わります!


余談ですが、
CDジャケットが、絵だと未だに信じられません、、、、

日付が変わったので今日がフラゲ日!楽しみです^^




長文を読んでくださり、ありがとうございました!