今回はクリープハイプの「破花(はっか)」の歌詞の意味を考えました。
この曲は代々木ゼミナールのCMソングとして使われており、
受験をテーマに書かれています。
歌詞の中にも鉛筆で線を書くことが描かれていたり、[問]と[答]があったり、と
受験や何かに挑む様子がすぐに想像できるものになっています。
具体的に歌詞を見ていきます。
『破花』/ クリープハイプ
(作詞・作曲:尾崎世界観)
歌詞:http://j-lyric.net/artist/a055e9b/l03977f.html
先が尖ってる芯が少しずつ丸くなる
真っ白な気持ちは書いた分だけ黒くなる
受験勉強って、合格やその先の進路に向けていろんなことを我慢したり辛い思いをしながらした覚えがあります。
そうやって辛い今を送っていると、
「どうして今こんなに辛い思いをしなくちゃいけないんだ?
本当にその先は自分が求めるものなのか?」
なんて信用できなくなる。疑問が頭の中でふつふつと湧き上がってきます。
でもそれを外に吐き出さないと、もやもやしたままで苦しくなってしまう。
だから “大きく深く吐き出す” 。
【問】と【答】という歌詞の書き方も、尾崎さんさすがです。
どうして どうして どうして どうして どうして
疑う事で何か始まる
どうして どうして どうして どうして
信じる者は足を掬われる
白紙の海泳ぐ黒い線にいつか 真っ赤な花が咲くその日まで
白紙の海泳ぐ黒い線にいつか 真っ赤な花が咲くその日まで
通して
いつものクリープハイプ節ともいえる、反復の歌詞です!
“疑う事で何か始まる”、“信じる者は足を掬われる”
という歌詞を見て、
これは純粋だからゆえの言葉だなと感じました。
「信じる」が基本にあって、それが何度も裏切られてきたから、
疑う事の大事さを語っている。
また、どうして信じることは良いことなのに、
そんな者たちが裏切られなければならないのか、という怒り。
例えば「努力は必ず報われる」「信じれば夢は叶う」なんて言葉がありますが、
努力した人みんなが報われるわけじゃないし、信じたからって夢が叶う訳でもない。
もちろん、その努力とはどの程度のものなのか、人によって違うだろうけれど、
頑張ったからといってすべてが結果には繋がりません。
でも、それを分かった上で、
真っ赤な花=花丸がつくまで自分の信念を、信じてやっていることをやり通す。
花丸は、何が基準でつくのかはわかりません。
それが他人による評価だったり、自分が良いと思えるところだったり様々でしょう。
“真っ赤な花が咲くその日”=“いつか”
そんな日がいつ来るかもわからないけれど、来ると信じてやるしかないと言う事です。
2番です。
道に迷った分だけ範囲は狭くなる
後悔だらけの間違いを消した分だけ黒くなる
動き出した君の歴史 いつも今日に答えがある
動き出した君の歴史 いつも今日が答えになる
動き出した君の歴史 いつも今日が答えになるから
線を消しゴムで消せば消すほど跡が残って汚くなってしまう。そんな場面が浮かびます。
1番は見えない未来と今についてでしたが、
2番では過去と今です。
でも、そうやって後悔している過去も、「今日」を積み重ねてきた結果であり、
先の見えない未来も、1つずつ「今日」を積み重ねて生まれる結果です。
だから、未来を不安がっていないで、過去に後悔をしないで、
「今日」を生きることが大切なのです。
自分がコントロールできるのは「今」「今日」のことだけだから。
「今」が大事、なんて耳にタコができるくらい聞いてわかってたはずなのに、
尾崎さんの表現で、クリープハイプの演奏で、聴くと
言葉の染み方が格段に違います。
イントロの、何処か絡み合っているようで不安定なギターは
ジャケット写真の黒い線とぴったりだなと思いました。
「破花」の特設サイトもまだ残っているので、
ぜひ!
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