久しぶりの投稿です。

ついにaikoさんのサブスク解禁!

何週か前にking Gnu井口さんのオールナイトニッポン0でのカブトムシデュエットを聴き、
やっぱりいいなぁと思っていた最中だったので、嬉しくて毎日聴いてます。


その中でも特に気に入っている

『二時頃』について今回は考えてみました。

作詞:AIKO 作曲:AIKO
『二時頃』歌詞



 
 新しい気持ちを見つけた あなたには嘘をつけない

 恋をすると 声を聴くだけで幸せなのね


 真夜中に始まる電話 足の指少し冷たい

 何も知らず うれしくてただ鼻をすすってた


穏やかなイントロから始まって、

歌詞は恋愛真っ只中の幸せでふわふわした感じ。

恋をしたらこんなふうに変わるのか!というキラキラ楽しさ絶頂期です。


電話が始まるのが真夜中だから、お風呂上がりの体も冷めてしまう。
本当なら少し不満に思っても良さそうですが、そんなことはどうでもよくて、
あなたの声を聴けるだけで幸せだと言っています。


「なにも知らず」っていうのが伏線、、、。

その前の「声を聴くだけで幸せなのね」っていうのも、
逆をいえば声しか聴けていない、会えていないということがわかります。




 右から秒針の音左には低い声 あたしのこの心臓は鳴りやまぬ

 いいかげんにうるさいなぁ


静かな部屋の中聞こえるのは秒針とあなたの声と自分の心臓の音。

「いいかげんうるさいなぁ」っていうのは自分の心臓のドキドキがうるさくて、
あなたの声に集中できなくなってしまうからだと考えました。


 ひとつだけ思ったのは あたしの事少しだけでも

 好きだって愛しいなって 思ってくれたかな


 小さく脆い優しさが 耳を通り包み込む

 それだけで体全部が いっぱいだったのに


サビの歌詞では、それまでの幸せいっぱいの感じから少し話が飛んでいます。

「思ってくれた」や「いっぱいだった」という過去形から、この恋が既に終わったものだとわかります。
いや好きだから真夜中でも電話してくれたんじゃない?と思うところですが、
続きをみていきます。



 いつ逢えるまちどおしくて 瞼閉じ口を開く

 あたしだけを その瞳に映してほしくて



1番では声を聴くだけで幸せだと言っていましたが、2番ではやはりそれだけじゃ足りなくなって、

「いつ逢える待ち遠しくて」と感じるようになっています。



そして不穏な雰囲気のでる間奏部分とCメロの歌詞。


 本当は受話器の隣 深い寝息をたててる

 バニラのにおいがする tinyな女の子がいたなんて



2人の関係が実は浮気(不倫)だったことがわかります。

どうやって発覚したかまでは描写がないですが、

なかなか会えなかったり、毎回電話が真夜中だったりでなんとなくおかしいなと思ったのではないでしょうか。
その少しずつ募った不信感がこの間奏部分で表されています。


この

「バニラの匂いがする tinyな女の子」

ですが、私は赤ちゃんだと考えました。

[tiny]は「とても小さい」という意味なので、
幾ら背が低くて可愛らしい女性でも、tinyという表現は使わないと思ったからです。

バニラの匂いは香水ではなく、赤ちゃん特有の甘い匂い。(ベビーパウダーなどの)

つまりこの男性は子持ちの既婚者だったということです。

状況がわかったところでサビを聴くと納得がいきます。


 
 言ってくれなかったのは あたしの事少しだけでも

 好きだって愛しいなって 思ってくれたから


 嘘をついてしまったのは 精一杯の抵抗

 あなたを忘れる準備を しなくちゃいけないから


「言ってくれなかった」とは、奥さんとお子さんがいることを言ってくれなかった という事だと思います。
独身だとか、彼女いないとでも言っていたのでしょうか。

なんで1番のサビで、「私の事少しだけでも好きだって愛しいなって思ってくれたかな」と疑問に思っていたかの答えがわかります。
なぜなら主人公は、好きになると嘘がつくことができなくなると思っていた。けれどもあなたは嘘をついていた。

自分の今までの方程式だと、

【私】好き=嘘がつけない

だから、

【あなた】嘘がつける=好きではない

になってしまう。


2回目のサビでは、

1番の最後で疑問形だった

「・・・思ってくれたかな」が

「・・・思ってくれたから」

という確定の語尾に変わっています。


つまり、これはこの主人公が述べていた

好き=嘘がつけない、という方程式に全てが当てはまるわけではなく、

むしろ彼は主人公のことを本気で好きだったからこそ、

自分には妻子がいるという本当のことが言えなかったということです。



そのあとの

「嘘をついてしまったのは」の嘘ですが、

どんな内容だったのか、歌詞には書いていません。

あくまでも予想ですが、

そのあとの「あなたを忘れる準備をしなくちゃいけないから」

とあることから、気づかないフリなどして関係性を続けるような嘘ではなく、

「もうそんなに好きじゃなくなった」などの2人の関係性を終わらせるような嘘をついたのだと考えました。


そして最後のサビ。



また語尾が「かな」と疑問形にもどっています。

最初のサビと全く同じ歌詞が最後にもう一度出てくるパターンはよくありますが、

この場合、最初に出てきたサビの疑問は妻子持ちだと分かった瞬間に思ったことで、

最後のサビの疑問形は、時間が経ってから回顧してあなたの本心を考えているように思います。

そしてその答えは2番のサビにあるように、
好きだったからこそ本当のことを言ってくれなかったと思いたい、
そうして美しい思い出として自分の中に残したいのかもしれません。



 嘘をついてしまったのは 精一杯の抵抗

 あなたを忘れる準備を しなくちゃいけないから


 ひとつだけ思ったのは あたしの事少しだけでも

 好きだって愛しいなって 思ってくれたかな


「浮気」とか「不倫」とか、そういう明確な言葉を一切使わず、
主人公の恋をしてワクワクしているところから切ない終わりまでを短い時間の中で歌い上げるなんて、
とんでもない曲です・・・さすがaikoさん。


この曲の特徴としてあげられるのが、
体の部位名がたくさんでてくるということです。
足・鼻・瞳・耳・口・体・心臓
あとは声・寝息。

主人公と彼との交流は主に耳(聴覚)だけで描かれていますが、
後からわかる彼と彼の本命(家族)の関係には寝息(聴覚)だけでなく体温(触覚)匂い(嗅覚)や瞳に映る(視覚)など、五感のほとんどがでてきます。
ここに、主人公と本命との圧倒的で埋められないほどの差を感じてしまいます。
主人公もそれをわかっていたから、泣いて食い下がったり、奪おうと思ったりすることなく、
すぐに身を引くことにしたのかな、と思いました。
(この辺りは妄想の域になってしまいますが)



今回の歌詞の考察は以上です。
何回聴いても飽きず、切なくて素敵な曲です。Youtubeはなかったのですが、サブスクも解禁中ですのでぜひ!

二時頃
ポニーキャニオン
2020-02-26